子は親の鏡『子どもが育つ魔法の言葉』ドロシー・ロー・ノルト
子どもは、いつも親の姿勢を見ています。ああしなさい、こうしなさいという親の言葉よりも、親のありのままの姿の方を、子どもはよく覚えています。
本書は「子は親の鏡」という世界で愛され子育てバイブルとなった詩を、一行ごと取り上げ、子育てで何が大切であるか、具体的に子どもにどう接したらよいかを、読者に優しく、伝わりやすい文章で解説しています。
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まずは本書の元となる詩「子は親の鏡」を紹介。
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
筆者は 1954年にこの詩を書き上げ、時代とともに詩の内容を変更しながら、親のあり方の手本を広めていきました。
子どもを思わず叱ってしまった時の話の中で、「子どもの話に耳を傾け、子どもの立場や意図を理解するように、親は常に心がけたいものです。そうすれば、子どもは自分の行動に自らすすんで責任を取ろうとします。そして自分の失敗を素直に認めるのです。そんな時、親はカッとして感情的にならないことが大切なのです。」と、たとえどんなことが起こっても、それを冷静に受け止め、切り抜いていく忍耐力と、広い心を持つことが親には必要なのだと本書はいいます。
失敗してしまった子どもを叱りつけると、子どもは萎縮してしまいます。そうじゃなく、なぜ失敗してしまったのか、次やるときにはどうやったら上手くいくかを、子どもと話し合いながら、自ら考えてもらう。自分で考えたことには、とてもやる気が出るから。
この詩を読まれた方の中には、「こういうことは、もうわかっている」と思われるかもしれません。たしかに自分も「どこかで見た言葉が詩になってる」と思った一人ですが、詩に対してやさしく、こと細かに書かれた文章にとても惹かれました。
本書を読むとよい配偶者、よい教師、よい上司になるためにはどうしたらよいのだろうか、その知恵も同時に学ぶことができるでしょう。
前回紹介した『子育ての大誤解 上・下』と本書を比較してみると、”親の影響”という点から見れば、まったく意見が異なっています。どちらが正解で、一方は間違い、そういう捉え方をする人もいらっしゃいますが、このブログではできるだけ、あらゆる側面から公平に見るようにしたいと考えています。キャラがブレることもあるかもしれませんが、どうぞお付き合いください!