読んでつくる知の体系

読んだ本、お勧めしたい本を紹介。ノンフィクションが多め。

『サーチ・インサイド・ユアセルフ』


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最近テレビや書籍で目にするようになった”マインドフルネス”。

その火付け役になった書籍がこの本だと僕自身勝手に思っている。

 

なぜGoogleの社員は楽しく創造的に働き、柔軟性を持ち、優れた成果をあげられるのか?その鍵を握っているのが独自の研修プログラム「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」

心を整える手法「マインドフルネス」を科学に基づき、ユーモア交えて紹介されている。

 

マインドフルネスな状態でいるには「瞑想」が欠かせない。瞑想の大きな秘密は、心がリラックスしていて、しかも隙のない状態に行きつけることだ。

 

マインドフルネス瞑想のプロセスは、とても簡単だ。

「呼吸をたどる」ことに注意を向ける。それだけだ。

”このプロセスを古典的なたとえは、町の入り口に立って出入りする人を見張っている門番だ。門番は何をするわけでもなく、出入りする人にただ目を光らせている。これと同じように、心のことを、息の出入りに目を光らせている門番と考えればいい。”

鼻から空気が入ってきて、鼻の奥を通り、同時にお腹が膨れてくることを感じる。

あくまでお腹が膨れるの感覚を意識するのであって、自らお腹を膨らましてはいけない、感じるだけだ。そして口から、もしくは鼻から出てくる空気を感じる。これを2〜3分ほどやるだけでも、注意が増してくる。気がつくと、心が穏やかで集中した状態になっている。フローの状態に入り、ただひたすら呼吸とひとつになってさえいるかもしれない。練習を積むとこの状態は長く続くが、数秒で気が散った状態に陥る。考えごとを思い出したり、不安がよぎったり、私たちは心配していないことまで空想する。しばらくすると、注意がそれていたことに気づく。そこで注意がそれていたことを恥じて、ダメだと思ってはいけない。ただ注意がそれていた事実を持ち上げて、もう1度呼吸のプロセスに戻せばいい。本書の言葉を借りるなら、「注意の集中を回復する」ことだ。

そして自分自身に対する態度を自覚する。自分をどう扱っているのか、自分についてどれほど頻繁に陰口をつぶやいているのか、考えてみる。そしてその態度を、自分に向けた優しさと好奇心に替えてほしい。この変化自体を瞑想だ。そして、これまた心の習慣を形成していく他ならない。自分に対する優しい心の習慣を身につけていくだけでも、自己嫌悪の多くを克服できるし、本当の意味で自分の親友になることができる。

 

マインドフルネス?少し怪しい感じがする方もまだまだ多いが、多くの会社や企業で使われ、いつしか日常の一部になる日も来るだろう。今からでも知っておくのは、時代を先取りできるかもしれない。