読んでつくる知の体系

読んだ本、お勧めしたい本を紹介。ノンフィクションが多め。

休むとは自分の時間をつくること。『自律神経が整えば休まなくても絶好調』小林弘幸


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あなたは、休むことをどのようにとらえているでしょうか。

ぐっすり眠ったり、旅行に行ったり、のんびりしたり...まずはこういったことを思い浮かべるのではないかと思います。しかし、本当はもっと多彩な休み方があり、あなたはそれを見逃しているために、充分に休むことができないだけなのです。

 

本書では、ほとんどの人が自分のものにできていない休み方について、自律神経という視点から考えていきます。

 

まず自律神経とは、末梢神経の一部であり、末梢神経は体性神経と自律神経にわかれています。手足を動かしたりするときに働く体性神経は自分でコントロールできるのですが、自律神経はコントロールできません。文字通り、脳の支配から、自律している神経と言えます。

この自律神経が、心臓、肺、腸などの内臓や血管に伸びていて、血圧や心拍数、体温のコントロールもしてくれています。

もう少し説明すると、自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があり、両方がバランスをとって健康なリズムをつくり出しています。両方とも高く維持されているのが理想なのですが、男性だと30歳、女性だと40歳を過ぎたあたりから、副交感神経の働きがどんどん落ちてきます。それによって交感神経が優位になり、イライラしたり、「休めない」状態が強くなっていくのです。

きちんと「休息」 をとることを考えるには、この副交感神経の働きを戻して、自律神経のバランスを整えてあげることに主眼を置くべきです。

自律神経のバランスを崩さないためにも、できるだけストレスを感じないようにする。休息とは一口に言えば、「ストレスを軽減すること」にあります。

 

 

現代人がストレスを抱えていることについて、その原因が「忙しさ」にあると多くの人は考えています。しかし本書では、「自分の時間をうまくつくりだせていないことがストレスになっているのであって、それを忙しいからだ、と思い込んでいるだけ」と考えています。

盛んに言われる「働き方改革」。社員に長時間労働をさせない、ノー残業デーなど企業側はそうした努力をこれからも続けていくでしょう。しかしそれは「働かせ改革」であって、「働き方改革」とは従業員に権利があっていいはずです。いくら企業が変わっても、働く側の意識が変わらないとどうにもなりません。一歩前に踏み出して、「いまの仕事はそのままに休む時間をつくる」こと目指す。あなたに必要な休息は、自分の時間を自分でコントロール下に置いたときに、いくらでも手に入るのです。

 

ストレスを軽減しながら、自分の時間をつくりだす術が本書では丁寧に書かれています。参考になる考え方が多く、オススメの一冊でした。