『ほめると子どもはダメになる』
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榎本博明 2015/12/20
「ほめて育てる」とか「叱らない子育て」といった標語をしょっちゅう耳にするようになった。その手の子育て本の代表作のひとつである『尾木ママの「叱らない」子育て論』では、ほめられればだれだって嬉しいものだということを強調している。
「子育てのポイントは、”叱る”代わりに”ほめる”ことなんです。大人だってほめてもらうとうれしいもの。気分がよくなり、もっともっと認めて欲しくなって、さらに頑張っちゃいます。ましてや成長盛りの子どもなら、叱られるより、認められるほうが嬉しいに決まっています。
子どもはほめられてニコニコ笑顔。 ママもハッピー」
それはだれだって、叱られるよりほめられるほうが嬉しいに決まってる。だからと言って、叱られないのがいいということにはならないだろう。嬉しがらせるのが子育てなのだろうか。子どものご機嫌をとるのが子育てなのだろうか。
確かに「ほめて育てる」教育が広まり、「叱る子育て」は敬遠されているように思える。
そのような環境で育った子どもは叱られずに育ってきたわけで、叱られることに慣れていない。
叱られる=自分に気づきを与えてくれる ではなく、
叱られる=むかつく、怒ってて感じが悪い と反発する子も増える。反発はしなくとも叱られて大きな精神的ダメージを被る場合もあるという。怒る側も怒るに怒れないというジレンマ。
「ほめる子育て」の甘さを突き、「ほめる子育て」と「叱る子育て」をどう上手く使っていけばいいのかを示唆してくれる一冊。
・この本で学んだこと
このほめ方は逆効果になるよ、と紹介されてました。
(1)易しい課題ができたときにほめる
(2)明確な根拠なしにほめる
(3)過度に一般化したほめ方をする
(4)コントロールするようなほめ方をする
以上のほめ方をするとほめても逆効果になる。
これから子育て頑張ろうとするお母さん方がこう言った本を買うのかな。書店では、たくさんの子育て論の本を見るのだが、ほとんどが「褒める」か「叱る」にフォーカスが置かれている。アドラーの本を、確か『嫌われる勇気』だったか、子どもと接するときに注意しなくてはいけないのは、子と親が上下の関係になるのではなく、同じ視線で、対等の関係を築くことが重要と書かれていたのを思い出す。子どもといえど、1人の人間。違う感情を持ち合わせているのだから、相手を尊重すべきとおっしゃられていた。
アドラーの理論を学んだ子育ても巷では流行っている。アドラーに興味を持ち始めたときに、ある人の勧めで、アドラー心理学を使った子育てセミナーに1度行ったことがある。参加者のほとんどが30〜40代の主婦の方で、アドラーの鍵概念「勇気づけ」を学んで今の子育てに役立てよう、みたいなセミナーだった。話はとても納得のいくもので、満足して帰ったのを覚えている。アドラーの理念を使った子育て、確かに新しいなぁと思った。興味のある方はぜひ、「勇気づけの子育て」を学んでみるのをオススメします。